写真撮影・提供:ノジコ(野路子)の会 小池一男氏
希少な渡り鳥・ノジコ
ノジコは体長14cmとスズメほどの大きさの小鳥で、野路子または野地子と書き、渡りの時に草原(野路)で良く見られることに由来しています。英名はYellow Buntingで黄色いホオジロ、学名はEmberiza sulphulataで硫黄色のホオジロ(ノジコはホオジロやアオジなどと同じく、ホオジロ類に属する鳥)という意味で、黄色い体の色から名づけられています。世界でも北海道を除く本州中部以北でのみ繁殖する希少な渡り鳥(日本の繁殖固有種)です
沼の原湿原とノジコの関係
令和5年秋、NPO新潟ワイルドライフリサーチによる沼の原湿原における調査により、新潟県内と長野県内でノジコが行き来していることが確認されました。
新潟県内(長岡市、加茂市)と福井県の中池見湿地、長野県内(大町市)と中池見湿地との間でノジコが行き来していることは少数例ながら記録がありましたが、令和5年秋の調査で、沼の原湿原におけるノジコの調査捕獲数が国内最大であり、渡りの中継地及び繁殖地として、最も重要かつ現段階で最大であることが明らかになりました。
写真撮影・提供:長野 康之 氏 / NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ
古の集落・沼の原湿原とヨシ原
プロジェクト名
斑尾高原には、沼の原湿原という広さ21ha(東京ドーム約5個分弱)の湿原があり、現在は花と野鳥の住処であり、人も自然鑑賞を楽しめる場となっています。
200年位前・江戸時代までは集落があり、水路・通路・居住跡が今でも残っています。人が住まなくなり、水田がその後一部湿地化し、ヨシやススキなど低木材が育まれ、潤湿なやぶ環境となり、ノジコの渡り鳥の中継地として好まれる環境になったことが考えられます。また、斑尾高原観光協会が木道を整備し、春~秋に散策できるようになっています。
4~10月まで様々な高原植物が楽しめます。特に5月のミズバショウとリュウキンカ、そして残雪の競演は見事です。
写真撮影・提供:小池 一男 氏 / ノジコ(野路子)の会